MY PAGEENTRY2025卒

新たな価値を提供すること  住友ファーマの「もっと」

STORY 01 貼って治す
「ロナセンテープ」
─ 統合失調症患者さんに、
新たな選択肢を ─

同じ有効成分であっても錠剤や注射、貼り薬などの使用方法が違うことに疑問を抱いたことはありませんか?

どの薬も、その効果を最大限に発揮できるよう考え創られています。しかし、効果だけでなく「注射が苦手なので飲み薬が良い」というように製剤の形も患者さんにとって大切なポイントではないでしょうか。
最近の精神科医療では、患者さんが医師と相談しながら治療方針を決定するSDM(Shared decision making)という考え方が重視されています。これは、精神科医療のゴールが「症状の安定」から「患者さん一人一人のリカバリー(夢や希望を持ち主体的に生きること)」に移り変わっていることを意味しています。

治療の選択肢を増やすと同時に患者さんの服薬負担を軽くし、生活の質(Quality of Life)を向上させたい―。

そんな思いで開発したのが、世界初の経皮吸収型抗精神病薬「ロナセンテープ」です。

統合失調症患者さんの2人に1人は、病気の再発に苦しんでいます。疾患について研究する中で、再発の一因として、患者さんが薬を継続して服用することの難しさがあると分かりました。
これまで、統合失調症の治療薬は、飲み薬か注射剤しかありませんでした。貼り薬(テープ剤)なら、患者さんも続けられるのではないかと考えたのです。

有効成分を皮膚から吸収させるためには、透過性があって肌に刺激が少なく、適度な粘着性がなければなりません。プロジェクトメンバーは、さまざまな添加剤や用量を検討し、ひとつひとつ、技術的なハードルを超えていきました。すべての課題をクリアしたプロトタイプがようやく完成し、たどり着いた臨床試験。しかし、そこで、剥がれやすいという課題が発覚。

どうすれば、上手くいくのか・・・。メンバーは製剤を見直し、その課題を解決。臨床試験の最後となるフェーズⅢを世界8カ国で実施し、臨床データをまとめ、承認申請しました。

そしてついに、2019年6月「ロナセンテープ」の製造販売承認を取得しました。
開発スタートから、実に十数年の時を経て、世に送り出すことができたのです。

「ロナセンテープ」は、1日1回の貼付で済み、時間経過に伴う血漿中濃度の変動を経口剤より小さくできました。飲み薬の服薬が難しい患者さんも使用できますし、患者さんをサポートしている周囲の方が、服薬有無を視認できるためアドヒアランス向上につながるというメリットもあります。
このような取り組みにより、新しい治療の選択肢、新しい価値を提供することができたのです。

すべては、患者さんのために。住友ファーマの挑戦は、続きます。

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